雲母書房
書籍詳細

新しい介護学 生活づくりのシーティング

【共著】 三好春樹、【共著】 福辺節子、【共著】 光野有次
2,000円(税込:2,160円)
介護技術
A5判 / 並製
256頁
2012年05月10日
978-4-87672-314-0
4-87672-314-1


寝たきりから離床へ、離床から生活づくりへ。

坐ることの大切さを知る、介護現場のニーズが生んだ待望の1冊!

車椅子や椅子に気持ちよく坐りたくても坐れないお年寄りのために、シーティングの知識と技術を学びましょう。そうすれば食事・排泄・入浴といった生活場面で、目的に適った姿勢や動作が格段に楽になります。

老化に伴い脊柱が曲り筋力が衰えると、食事・排泄・入浴といった日常生活の基本姿勢、「坐位」をとることが困難になっていきます。シーティングとは骨盤の傾きと脊柱の弯曲に着目し、アンカーサポートと骨盤サポートにより、坐位姿勢を保持し生活の目的ごとにお年寄りが楽で無理のない状態で坐ることを実現する方法論です。

 

本書は「生活づくり」を介護の主眼に置く介護界のカリスマ、三好春樹。

「力のいらない介助術」で話題の介護技術の達人、福辺節子。

重度心身障害者の車椅子づくりとシーティングの第一人者、光野有次。

頂点に立つ3人のコラボにより実現した、初の介護現場のためのシーティング本です。


まえがき(三好春樹)


1章 坐位がお年寄りの生活をつくる  三好春樹
介護の役割と魅力 
介護は医療・看護・リハビリと何が違うのか 
「生活」の中で姿勢が選ばれる 
肢位から姿勢へ 
坐位は生活への第一歩 
生活の中の坐位―食事・排泄・入浴 
食事は口から食べてもらう 
食事姿勢の生理学的根拠 
排泄姿勢の生理学的根拠 
入浴姿勢の生理学的根拠 
自発的ゴソゴソが褥瘡を治す 
坐位が褥瘡を治す
お年寄りが坐りやすい坐位 
お年寄りの95%は坐れる―その見分け方 
介護現場が提案する車椅子
生活づくりのシーティングに向けて

2章 なぜ、お年寄りのケアにシーティングが必要なのか  福辺節子
福辺流介助とシーティング 
生活の中で動くということ 
よい姿勢は長続きしない? 
坐位でのよい姿勢を妨害する四つの要因 
老化による坐位姿勢の崩れ 
坐位から立位への移動について 
坐位における姿勢の崩れの三つの問題点 
お年寄りの「疲れ」を知る 
機能的な車椅子の導入に向けて 
「坐る」ことへの気づき 
目的に適ったシーティング

3章 介護現場におけるシーティングの実践  福辺節子
援助方法としてのシーティング・ポスチャリング 
シーティングの実践1 
シーティングの実践2 
シーティングの実践3 
シーティングの実践4 
シーティング実践から言えること 
ポスチャリングについて 
ポスチャリングの基本 
ポスチャリングの実践 
「車椅子は最終形ではない」ということ

4章 シーティングの基本をマスターしよう  光野有次
これまでの仕事について 
起きて生活するために 
坐位保持機能が付いた車椅子 
寝たきりにならない「椅子」のある生活を 
日本人と椅子 
椅子坐の文化、床坐の文化 
日本人の椅子の歴史は、まだ五〇年たらず 
シーティングとは何か 
坐位は立位がヒントになる 
骨盤、その中でも「仙骨」の傾きが姿勢を変える 
「アンカーサポート」と「骨盤サポート」 
車椅子におけるアンカーサポート 
車椅子での快適な姿勢づくり 
ジャストフィッティングについて 
アップライトの坐位調整 
「アップライト姿勢」と「ティルト姿勢」 
危ないリクライニング角 
シーティングにおける三ステップ 
生活場面での合理的な姿勢

5章 「備品」としての車椅子から、「生活」の中の車椅子へ  光野有次
定番となった1945年型車椅子 
日本人には合わない1945型車椅子 
第二次車椅子革命 
街のバリアフリー化 
高齢者施設での車椅子の役割 
パーソナルユースという考え方 
褥瘡治療費か、機能的車椅子導入か 
鍵を握るケアマネージャーと福祉用具サービス計画 
「生活」の中の車椅子へ

参考文献等


あとがき  光野有次


評者: (2012年7月27日 シルバー新報)
排せつ、食事、入浴に続く第4弾が「座る」だ。寝たきりにさせずに、「座らせる」ことが介護施設などでは当たり前になっているが、その知識・技術は普及しているとはいえない。本書によると、椅子に座る歴史が短いことも一因だ。
 介護の立場からは、三好春樹氏が、食事・入浴・排泄の3大介護にとって、「座位」であることの生理的根拠などを分かりやすく例示しており、「シーティング」がなぜ大切なのかを理解できる。
 第2章では、理学療法士の福辺節子氏が、具体的な事例を通して、シーティングによる高齢者の変化を紹介。左片麻痺で胃ろうを造設している男性は、座位が保てなかったが、きちんとシーティングを行うことで、顔の表情がまず変化。8ヵ月後には、両股関節の屈曲も得られて、左右対称の姿勢になった。効果は劇的だ。車いすを「備品」から「生活」に取り込むことの大切さも紹介している。




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